2010年6月21日月曜日

わたし、日本人です。

 ほんとに早いですね~。もう六月の終わりです。
大学の授業も終わり、最後の試験です。わたしは、受けるのではなく、出す方なので、気楽です。
問題を作るのも、近くに先生がいますから、いろいろ教えてもらいながらできました。とても勉強になり、ありがたい限りです。
 さて、平日クラスの一年生は、ザリチェニアと呼ばれる、最後の面接試験を受ける前の、課目の実力試験のようなものを受けました。
採点をして、はぁぁ、案の定、かなりの人数が追試となりました。
追試の前に、もう一度確認のための補講を、先生がやってくださいました。わたしは、その横で補佐係です。学生に、答案を返し、間違えた場所を各自に確認させました。
 
 ここからが、今日の話題です。
一人の学生(私のクラス)が、私に聞いてきました。『先生、ここはどうして間違いですか。』
 それは、「います、あります」の存在文の課の問題で、「とけいは、どこにありますか。」というのが、設問で、「(とけいは、)つくえのうえにあります」というのが、求めていた解答でしたが、彼は、「つくうのうえに、とけいがあります。」と書きました。
日本語をならう学生が最初に出会う、「は」と「が」の使い分けの問題です。
当然、彼の答えは間違いです。
でも、他の言葉は合っていますから、4点配点のところを-0.5点しました。
彼は、この減点がおかしいと言ってきたのです。『は』で聞かれたら、『は』で答える、というルールは授業でも確認済みで、他の生徒は正解しています。
もう一度彼に説明したら、「でも、文法の先生は、これで合っている、と言っていました。」と言い出しました。
文法の先生は、ポーランドの人です。たぶん学生の勘違いなのですが、彼は主張して譲りません。
挙句に、『文法の先生が正しいと言ったのだから、あなたが間違っている』とまで言われてしまいました。
あのー、私、日本人で、ネイティブスピーカーなんですけど…
日本語を、もう50年も話してるんですけどねぇ、間違えてますかねぇ?
あまりにおかしくて、吹き出してしまいました。
日本人だったら、アメリカ人の先生に、あなたの英語は間違っている、なんて、絶対、口が裂けても言いませんよねぇ。
文化と言っていいのか、人の考え方、主張の仕方の違いを肌で感じて、とても面白かったです。

 で、議論の結論は?というと、私が負けるわけないじゃないですか。
学生に、授業で渡したプリントをもう一度よく見て考えるように、しっかり言い含めてやりました。
でも、これが、去年の授業開始直後くらいに言われたのだったら、弱気になって、「一度調べてきます。」と言って、私が引いてしまったかもしれませんねぇ。

強くなったもんです。これが外国で暮らした、一番の成果かもしれません。

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